コーポレート・ガバナンスニュース(2021/3/16)

本日は、以下の記事について取り上げます。

1.仏ダノン、CEOを解任 株主圧力で

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1.仏ダノン、CEOを解任 株主圧力で

【注目ポイント(記事一部引用)】
フランス食品大手ダノンは15日、エマニュエル・ファベール会長兼最高経営責任者(CEO)を同日付で解任したと発表した。業績不振の責任があるとしてアクティビスト(もの言う株主)などが交代を求めていた。15日の同社株終値は12日と比べ約3%上がった。

【コメント】
世界最大のヨーグルトメーカーとして有名なフランスのダノンがCEO解任を発表しました。株価が昨年比で27%以上下落していたことや売上高の減少など、今後の成長への期待が持てないと判断したのでしょうか、最近になって株主である複数のアクティビスト(アーティザン・パートナーズ・アセット・マネジメントやコーズウェイ・キャピタル・マネジメント、ブルーベル・キャピタル・パートナーズ)がCEO交代の圧力を高めていたようです。

ダノンといえばヤクルトに対する敵対的な買収を仕掛けたことで有名です。結果的には買収には至りませんでしたが、株主の立場で経営改善を仕掛けていた側が、今回は株主から迫られる形でCEOが解任に追い込まれたというのは、大変印象的な出来事だと思います。

日本でも東芝のように複数のアクティビストが株主に名を連ねている企業がありますが、業績が悪化すればすぐに同じ事態が起きかねません。株主側としては当然の権利行使なのかもしれませんが、中長期的にみて企業価値を高めていることになっているかどうかは、慎重に判断が必要だと思います。