コーポレート・ガバナンスニュース(2021/3/4)

本日は、以下の記事について取り上げます。

1.物言う株主銘柄、株高傾向

2.まず候補者枠設けて

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1.物言う株主銘柄、株高傾向

【注目ポイント(記事一部引用)】
アクティビスト(物言う株主)による株式保有が明らかになった企業の株価は短期だけでなく中長期的にも上昇する傾向がある――。大和証券の橋本純一シニアクオンツアナリストは、アクティビストにより大量保有報告書が提出された銘柄の株価騰落率について調べた。

【コメント】
「アクティビスト」に対して、一時的に株を大量に買い占め、多額の売却益を得るためにタイミングを見て企業に買い取らせる、または市場で売却するというグリーンメーラーの印象はだいぶ薄れてきました。

もちろん、未だにそうしたアクティビストも存在しますが、近年の傾向では、株の保有も数パーセント程度であり、経営改善を促すことで潜在的な企業価値の実現を目指そうというケースが増えています。もちろん、経営改善の中には従業員のリストラや事業売却など痛みを伴う取り組みも含まれため、そうした提案が意味のある経営改善に繋がるかどうかは慎重に判断が必要でしょう。

一昨年、昨年とアクティビストによる株主提案は増加傾向にあり、今年もその傾向は続きそうです。特に気候変動を含めたESG関連の株主提案は増えるでしょう。企業にとっては、提案内容が的を得ていればいるほど無下に拒否もできないため、本質的には企業価値をどのように上げるかを真剣に考え、取り組んでいく以外に対処のしようがありません。

 

2.まず候補者枠設けて

【注目ポイント(記事一部引用)】
森喜朗氏の発言は女性をひとつのカテゴリーで判断することを容認するバイアスの存在を浮き彫りにした。一人ひとりの能力をどう発揮していくか真剣に考えるきっかけになればいい。

【コメント】
筆者の考えも小林氏の考えに近く、取締役会を巡る女性登用に関しては本来的には社内からの候補者をいかに増やすか、また候補者の段階での女性比率の目標値を設定するに留め、最終的に選任されるかどうかは、男女に関わらず人物と能力に従って選ぶべきと考えます。

数合わせの多様性の確保に意味はなく、かと言って現状のまま候補者も登用者も男性中心で進めていくのでは何ら変化は起きません。この問題は時間が掛かることを前提に、中長期で取り組むと決め、社内の女性リーダー候補者の育成に力を注いでいくことが重要と思います。