コーポレート・ガバナンスニュース(2021/3/3)
1.「1部」の看板 手放せない 統治改革、株主置き去り
2.世界の投資マネー、2割が脱炭素へ 投資先の選別厳しく
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1.「1部」の看板 手放せない 統治改革、株主置き去り
【注目ポイント(記事一部引用)】
東京証券取引所は2022年4月に東証1部など4つの市場区分を廃止し、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編する。プライム市場には流通株比率などの基準を設ける。海外でも類をみない大規模な株式市場の再編に向け、走り出した企業の姿を追う。
【コメント】
今回の東京証券取引所の市場再編の本当の狙いがどこにあるか、はっきりしたことはわかりませんが、現在の東証1部上場企業を絞込み、プライム市場の上場企業のROEの数値を良く見せるための上場基準操作だとすれば、様々なな歪みが顕在化することを懸念します。本来的には、定期的な入れ替えを促進し、業績が低迷している企業やガバナンス不全が一定期間継続している企業などがプライム市場から外れていくような、ダイナミックな新陳代謝の仕組みが機能することが大事です。
2.世界の投資マネー、2割が脱炭素へ 投資先の選別厳しく
【注目ポイント(記事一部引用)】
資産運用会社の間で投資先の温暖化ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を掲げる動きが広がっている。世界最大の運用会社ブラックロックも目標設定を検討。「排出ゼロ」を目指すマネーは約2000兆円と世界の投資マネーの2割に達する見通しだ。排出削減に消極的な企業は投資対象から外されるリスクが一段と高まってきた。
【コメント】
先日の以下の記事にあるように、ブラックロックが投資先企業に対して、脱炭素に向けた取り組み方針を決めたことをきっかけに、同様の動きが機関投資家に急速に広がっているようです。昨年後半、そして今年の年初から一気に脱炭素に向けた取り組みスピードが速まってきたように思います。昨年の株主総会では、日本初の気候変動に関する株主提案が、みずほフィナンシャルグループに対して行われましたが、今年の株主総会ではその数が一気に増える可能性は高いと予想します。