コーポレート・ガバナンスニュース(2021/3/1)

本日は、以下の記事について取り上げます。

1.スズキ「チーム俊宏」に移行 修会長退任、外部人材活用

2.3月1日 改正会社法施行  役員報酬、決め方透明に

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1.スズキ「チーム俊宏」に移行 修会長退任、外部人材活用

【注目ポイント(記事一部引用)】
スズキを社長、会長として40年以上率いた鈴木修会長(91)が退任する。強力なトップダウンで経営を指揮してきたが、1日に62歳になる息子の鈴木俊宏社長を補佐する専務役員を1人から一気に6人に増やすなど、集団指導体制への移行を進める。こうした「チーム俊宏」が修会長の退任後もうまく機能し、電動化対応などの荒波を乗り切れるかが課題となる。

【コメント】
約40年にわたって経営を率いてきた鈴木会長が退任し、息子の俊宏社長が名実ともに経営トップとなります。しかし、その俊宏社長も年齢は既に62歳とのことですので、何年経営者を務められるかわかりませんが、俊宏社長の後継者問題も今後の大きな課題となるでしょう。

これを機に、カリスマ経営者によるトップダウンの体制から集団経営体制へと移行するようですが、同時にサクセッションプランなどのコーポレートガバナンスの強化にも取り組んでいく必要がありそうです。

2.3月1日 改正会社法施行  役員報酬、決め方透明に

【注目ポイント(記事一部引用)】
改正会社法が3月1日に施行される。取締役の報酬決定方針の開示や社外取締役の設置義務化などが主な内容だ。今回は5年ぶりの改正であり、経営の透明性を高めるのが目的。決算期が3月の上場企業などは早くも今年の株主総会に向けた対応が求められる。

【コメント】
今回施行される改正会社法の大きなポイントは、取締役の報酬決定方針の開示に関する事項です。
この「取締役の報酬決定方針」とは、具体的には以下の各事項を指します。

①個人別報酬の以下の事項の決定に関する方針
 ・業績連動報酬の業績指標の内容および額、または数の算定方法
 ・非金銭報酬(株式報酬・ストックオプション等)の内容および額、もしくは数またはその算定方法
 ・その他の報酬の額、またはその算定方法
 ・個人別報酬における各種類(業績連動報酬、非金銭報酬、その他の報酬)の構成割合

②報酬付与の時期・条件の決定に関する方針

③個人別報酬の内容の決定方法

④その他、個人別報酬の内容の決定に関する重要な事項

特に業績連動報酬や株式報酬を導入している、またはこれから導入予定の企業にとっては、従来以上に制度設計の詳細内容の開示が強化されることとなるため、改めて現行の役員報酬制度の合理性や妥当性について検討されるケースが増えそうです。