コーポレート・ガバナンスニュース(2020/8/22)

本日は、以下の2つの記事について取り上げます。

  1. 社外取、報酬改善遅れ
  2. 経営改革も日本に先行 危機でも伸びるアジア資本主義

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1.社外取、報酬改善遅れ

【注目ポイント(記事一部引用)】
日本の社外取締役の報酬改善が遅れている。コンサルティング会社ウイリス・タワーズワトソンの調査によると主要企業の社外取締役の報酬額(中央値)は2019年度に1430万円と前年度と同額。米国は2%増、英国では18%増と欧米に比べて報酬引き上げは鈍い。企業統治の中で社外取締役の占める役割は高まっており、どう報いるか課題となっている。

【コメント】
社外取締役の役員報酬についての比較記事です。記事でも触れていますが、欧米との水準差の要因としては、社外取締役にも役員報酬が付与されるかどうかという点ですが、もう一つは役員の役割に応じて支払われる報酬の有無です。例えば、米国企業の場合、企業にもよりますが、Base Salary(基本報酬)が1000万円程度、それに委員会の委員(または委員長)の兼務状況や取締役会議長、筆頭社外取締役等を務めているかどうかでプラス・アルファの報酬が増加されます。これだけみると、社外取締役の報酬で、中央値が1500万円弱となっている日本の社外取締役報酬は決して低いとは言い切れません。なぜならこのほぼ全てがBase Salaryに該当するからです。CEO・社長等の経営陣(執行)の報酬と同様に、報酬格差の要因が業績連動報酬にあるとすると、社外取締役の報酬を巡る論点としては、そこに業績連動性を含めるか否かになるでしょう。

 

2.経営改革も日本に先行 危機でも伸びるアジア資本主義

【注目ポイント(記事一部引用)】
台頭してきたアジア経済が日本のライバルになりつつある。コロナの影響で苦境に直面しているものの、成長への歩みは止まっていない。今回紹介する『アジア資本主義』は、中国やインド、東南アジアなどで豊富な取材経験のある金融ジャーナリストが政治経済の最前線を追った一冊。ビジネスパーソンの「必須科目」となったアジア経済の知識をアップデートするのに最適の参考書といえよう。

【コメント】
日本書には、コーポレートガバナンスを巡るアジア企業の特徴も取り上げられています。筆者は、欧米だけが日本のコーポレートガバナンスのモデルケースではなく、アジアも注視するべきというスタンスを取っています。確かに、シンガポール・香港・マレーシア・タイなどのコーポレートガバナンスを巡る近年の改革は、欧米と比べると現在まさに改革途上にあることもあり、日本企業にとって参考になる部分が多くあります。