コーポレート・ガバナンスニュース(2020/8/5)

本日は、以下の3つの記事について取り上げます。

  1. 東芝総会、車谷社長に「賛成」58%どまり 取締役選任で
  2. コロナで責務増す社外取
  3. 大手銀、政策株削減が足踏み コロナ禍「黙って売れぬ」

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1.東芝総会、車谷社長に「賛成」58%どまり 取締役選任で

【注目ポイント(記事一部引用)】
東芝が7月31日に開いた定時株主総会で、車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)の取締役選任案に対する賛成比率が58%にとどまったことが4日、分かった。総会では東芝のガバナンス(企業統治)を問題視して、物言う株主(アクティビスト)からも取締役候補が提案されていた。過半数を獲得して取締役に選ばれたが株主からは厳しい視線が注がれている。

【コメント】
当ブログで予想していた通り、車谷CEOの取締役選任比率は厳しい結果となりました。ただし、明確に反対票を投じたのは19%となっており、エフィッシモの株主提案への賛同者もそれほど集まらなかったようです。一方、棄権は23%と多く、一部の機関投資家などが判断を避けたというところでしょうか。今回はISS、グラスルイスの両議決権行使助言会社も会社側の取締役選任案を推奨している中での薄氷での勝利でした。東芝経営陣としては予想以上に厳しい結果だったと考えていることでしょう。引き続きアクティビストを含め株主の7割以上が外国人株主で構成されるため、課題であった子会社を含むグループ全体のコーポレートガバナンスの強化や成長戦略の実行が今後芳しくないという事態になった場合には、今回棄権に回った株主も態度を翻しかねません。

 

2.コロナで責務増す社外取

【注目ポイント(記事一部引用)】
新型コロナウイルスによりあちこちでニューノーマルが立ち現れる中、各企業の経営陣には社会の意識や環境の変化を適切に把握し、アフターコロナ時代に合致した経営戦略を再構築することが求められている。本来、今回のような非常事態において本質的な議論を行い最も重要な意思決定を下すべき機関は、業務執行を担う経営陣と社外取締役により構成される取締役会だ。

【コメント】
7月31日に経産省が発表した「社外取締役の在り方に関する実務指針」が出てきた背景は、コーポレートガバナンスを形式から実質に深化させるにあたり、その中心となった役割を果たすべき存在として社外取締役を位置付けているということが挙げられます。同指針には、社外取締役の5つの心得が記載されていますが、特に心得1で明確に定めているように社外取締役には経営幹部や取締役の報酬や指名に関する主体的な関わりが、より一層求められています。指名報酬委員会の設置率も上場会社で半数を超えているものの、現状は実施回数や開催時間も極々最低限のレベルに留まり、重要な意思決定に沿うだけの議論を行えている企業はそれほど多くないでしょう。今年の株主総会の1つの傾向として、取締役の選任を巡る株主提案の増加が挙げられますが、この傾向は今後益々高まっていくと予想しています。その際に、多くの企業で社外取締役が期待通りの働きが出来ているかどうかが、大きな課題となるはずです。

 

3.大手銀、政策株削減が足踏み コロナ禍「黙って売れぬ」

【注目ポイント(記事一部引用)】
銀行が進めてきた政策保有株の削減に急ブレーキがかかっている。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、対面での売却交渉が進んでいないためだ。4日に出そろった5大銀行グループの2020年4~6月期決算で、政策保有株の削減額は20年3月期通期の6%にとどまった。感染拡大の長期化が思わぬ分野にも影響を及ぼしている。

【コメント】
あくまでコロナ禍という特殊な状況での一時的な停滞に過ぎないと思います。特に銀行自体に以前のように株の持ち合いを続けられるほどの経営体力はありませんので、今後政策保有株式の縮減は全体としてより進むはずです。