コーポレート・ガバナンスニュース(2020/8/4)

本日は、以下の記事について取り上げます。

  1. 「事業再編実務指針~事業ポートフォリオと組織の変革に向けて~」を策定しました
  2. バーチャル総会「参加しやすさ」課題に

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1.「事業再編実務指針~事業ポートフォリオと組織の変革に向けて~」を策定しました

【注目ポイント(記事一部引用)】
経済産業省は、事業再編研究会における議論等を踏まえ、新たに「事業再編実務指針~事業ポートフォリオと組織の変革に向けて~」を策定・公表します。

【コメント】
日本のコーポレートガバナンス改革は、「攻めのガバナンス」と称されるように、日本企業の「稼ぐ力」を高めるための方策として行われてきました。今回経産省が発表した「事業再編実務指針」は事業ポートフォリオの見直しを機動的に行うために「コーポレートガバナンス・コードとの整合性を維持しつつ、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資する形でコーポレートガバナンスを実践するためにコードを補完するもの」として位置付けられています。実際に、内容をみると、事業再編に焦点を当てた上で、経営陣における適切なインセンティブ、取締役会による監督機能の発揮、投資家とのエンゲージメントへの対応、事業評価の仕組みの構築と開示の在り方などが挙げられています。中身の詳細は近日中に当ブログにて解説予定です。

2.バーチャル総会「参加しやすさ」課題に

【注目ポイント(記事一部引用)】
2020年にインターネットを使った「バーチャル株主総会」を開いた上場企業で、議決権の行使を認めた13社を対象に調査したところ、12社が21年も開催したいと回答した。新型コロナウイルスの影響が続くなか、今後定着しそうだ。一方で11社が「課題が残った」と回答。参加しやすいシステムの構築など、開催手法には改善の余地がありそうだ。

【コメント】
今年の株主総会を振り返って一つの反省点としては、海外企業で実施が一気に進んだ株主総会のオンライン開催が日本企業では一部企業に留まった点が挙げられます。今回の実施した企業に対するアンケートでは、N数は少ないものの、「うまくできなかった」とする企業は皆無であり、ほぼ全ての企業が「来年以降も継続したい」としています。出来ない理由はない以上、やらない手はないと思うのですが、記事にもある通り、経営者自身の意識が低いというのが最大の障壁です。先日のこちらの記事でもJユーラスの岩田氏が述べているように、現在のような先行き不透明な状況だからこそ、投資家は企業が中長期の成長を遂げるための自己変革ができるかどうかを見定めています。株主総会のオンライン開催すら満足にできない企業が、自己変革ができるとは到底思えないのですが、残念ながら行政主導で改革を主導しない限り、来年になっても多くの株主総会は非オンラインでの開催のままとなる可能性が高いとみています。