コーポレート・ガバナンスニュース(2020/7/22)

本日は、以下の2つの記事について取り上げます。

  1. 東芝への株主提案で窮地に立つ経産省の「憂鬱」
  2. 3Dインベストメント、東芝の定時総会で車谷CEOらの取締役再任に反対へ

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1.東芝への株主提案で窮地に立つ経産省の「憂鬱」

【注目ポイント(記事一部引用)】
進むも地獄、退くも地獄とはこのことか。
シンガポールの投資ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネジメント」が東芝に突きつけた株主提案を巡り、経済産業省が窮地に立たされている。
東芝株の15%超を保有して筆頭株主でもあるエフィッシモは、子会社で発覚した架空・循環取引を問題視。7月31日に開催される株主総会を前に、ガバナンス強化を図るべきだとして取締役3人の選任を求める株主提案を行った。
これに対し東芝は「取締役は現在の12人くらいが適正で、増やす必要はない」と反対、両社は真っ向から対立している。

【コメント】
今回のエフィッシモと東芝の取締役選任を巡る対立に関して、先日の外為法改正の影響から経産省が苦しい立場に置かれているとのことですが、なるほどと思う反面、こうした事態を経産省では想定していなかったのか疑問に思います。具体的には、改正外為法の「外国投資家自らまたはその関係者が、指定業種に属する事業を営む会社の取締役または監査役の選任に係る議案について、株主総会において同意しようとする」行為が事前審査の対象の1つとなるという点です。この文面だけみるとアクティビストが事前審査対象となる可能性は十分ありますし、そのことを考えると、今回の事態も経産省としては想定内であったのではないでしょうか。ただし、想定していたとしても、実際に事前審査を行うことの難しさは別の問題です。仮に事前審査の結果、エフィッシモにNOを突き付けることになった場合は、エフィッシモだけでなく他のアクティビストも含め反発は必至であり、場合によっては外国人投資家の日本市場からの離反にも繋がりかねません。出来る限り、穏便に済ませたいというのが経産省の本音だと思いますが、7月31日の株主総会まで10日を切っており、猶予はもはやありません。

 

2.3Dインベストメント、東芝の定時総会で車谷CEOらの取締役再任に反対へ

【注目ポイント(記事一部引用)】
3Dインベストメント・パートナーズは20日、東芝<6502.T>の定時株主総会で、同社の車谷暢昭代表執行役社長(CEO)と藤森義明社外取締役の取締役選任について、反対の議決権を行使すると明らかにした。東芝の定時株主総会は7月31日に開催される予定。

【コメント】
東芝の株主である3Dインベストメント・パートナーズは、車谷CEOと藤森社外取締役の取締役選任について反対をする方針を示しました。同社が用意したWebサイト(リンク先)に掲載されている反対理由をみると、車谷氏については①過去の経営の失敗から学んでいない②形式上のガバナンスを推し進めている③東芝のTSRが競合比で劣後しているとしています。また、藤森氏については①車谷氏と前職で同僚関係にあり、独立性に疑義がある②社外取締役としての資質の欠如③LIXILのCEO在任期間中のコーポレートガバナンス問題への責任の3点を挙げています。既に東芝と取締役選任を巡って対決姿勢にあるエフィッシモと今回の3Dインベストメント・パートナーズが連携しているのかは不明ですが、このタイミングでこうした反対方針が出てきたことは、東芝にとっては痛手のはずです。株主総会にどのように影響するか注目しています。