コーポレート・ガバナンスニュース(2021/3/12)

本日は、以下の記事について取り上げます。

1.資本コスト経営 定着へ3度目の挑戦

2.オリンパス竹内康雄CEO「CFOはトップの懐刀」

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1.資本コスト経営 定着へ3度目の挑戦

【注目ポイント(記事一部引用)】
企業統治(コーポレートガバナンス)改革の主眼は、資本効率を意識した経営を日本に根付かせることだ。企業はROIC(投下資本利益率)など経営指標の導入から、社内の隅々に浸透させる段階にきた。バブル経済の崩壊後、3度目となる資本コスト経営のブーム。定着なるか、投資家の視線も厳しさを増している。

【コメント】
記事の中で、川崎重工業の副社長が語っているように、ROICやROEの目標値を定めたことによって数字が独り歩きし、本来の目的とは違った形で運用されてしまっているという状況は多くの企業でみられます。

あくまで目的は企業価値の向上であり、そのために資本効率を意識して取り組むというところを忘れてしまっては本末転倒です。目標値を定めるだけでは不十分であり、荏原製作所やヤマシンフィルタが実施しているように、現場に対する資本効率性を意識した取り組みの徹底を浸透させることが必要です。

資本効率を意識した経営は、残念ながら多くの日本企業にとって新しい概念であり、そもそも考え方を変えていく必要があります。そのため、経営陣だけでなく従業員も含めた意識改革とセットでないと、なかなか定着は難しいと思います。

 

2.オリンパス竹内康雄CEO「CFOはトップの懐刀」

【注目ポイント(記事一部引用)】
オリンパスは2021年3月期に、カメラ事業の売却、医療関連事業のM&A(合併・買収)など相次ぎ重要な経営判断を下した。19年に掲げた経営計画を、新型コロナウイルス禍でも推し進めている。経理部でキャリアをスタートし、最高財務責任者(CFO)を経て最高経営責任者(CEO)となった竹内康雄氏に財務トップの役割について聞いた。

【コメント】
竹内CEOが述べているように、グローバルレベルで競争に勝ち抜くことが求められる大企業ほど、トップマネジメントには広い視野とグローバル水準の企業経営を行ってきた各分野のスペシャリストが必要となります。そうなると、必然的に社内からだけでなく社外も含めて、最適な人材の登用を行うということは当然のことです。

コーポレートガバナンスコードの適用によって、日本企業にも社長・CEOの後継者計画を策定し、運用する必要性は理解が進んでいます。最近では、CEOだけでなくトップマネジメントチームの各ポジションのサクセッションプランを全て整備することに取り掛かる企業も増えていますが、その際、各ポジションの要件を単独で整理するだけでなく、経営チームの一員という側面も踏まえて整理することが必要です。