コーポレート・ガバナンスニュース(2021/3/2)
1.役員報酬算定法、主要企業の5割非開示 法改正で義務に
2.エクソンが6%高 著名アクティビストが取締役に就任
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1.役員報酬算定法、主要企業の5割非開示 法改正で義務に
【注目ポイント(記事一部引用)】
改正会社法が1日施行された。大きな柱は取締役の報酬の透明化だ。個別の報酬額について決定方法を定め、開示することが義務付けられる。2020年の段階で、時価総額の大きい500社でも半数以上が業績連動報酬の具体的な決定方法を開示していない。情報開示は欧米に比べ遅れており、法改正を契機に株主など投資家からの要求も強まりそうだ。
【コメント】
大和総研の調査によると、東証に上場する時価総額上位500社のうち、業績連動報酬の算定式を示した企業が、2020年時点で94社、具体的な決定方法に触れていない企業は287社とのことです。近年、特に大企業を中心に役員報酬は増加傾向にあり、その要因は現金や株式の業績連動報酬の導入が進んでいることにあります。業績連動報酬の導入は進み、報酬額は増加する一方で、その業績連動報酬の決定に関する最低限度の情報開示すら、満足に取り組めていない、こうした状況はコーポレートガバナンスの強化が進んでいるとは到底いえないと思います。
特に、業績連動報酬の情報開示が進まないことやそうした実態を許してしまっている、報酬委員会や取締役会の責任は大きいでしょう。今後問題が顕在化する可能性はありますが、実態として報酬決定に関するチェック機能が働いていない報酬委員会は、想像以上に多いのではないでしょうか。
2.エクソンが6%高 著名アクティビストが取締役に就任
【注目ポイント(記事一部引用)】
1日の米株式市場で石油大手エクソンモービルが3営業日ぶりに大幅反発し、一時は前週末比6.0%高の57.61ドルを付けた。1日朝にアクティビスト(物言う株主)で有名なジェフリー・アッベン氏を取締役会に迎え入れると発表した。脱炭素化やコスト削減などの取り組みが進むとの見方から買いが入った。
【コメント】
今回エクソンモービルが社外取締役に迎い入れるジェフリー・アッベン氏のファンドは、以下のニュースで取り上げました。同ファンドは、ESGを重視した新しいタイプのアクティビストファンドとも云われておりますが、従来のように企業価値の向上を投資先に促すだけでなく、同時にESGの取り組みの推進・強化にも力を注ぐ点が大きな特徴のようです。