コーポレート・ガバナンスニュース(2021/1/27)

本日は、以下の記事について取り上げます。

1.「上場子会社、社外取増員を」 金融庁・東証、統治指針改定へ議論

2.事業売却、11年ぶり多さ 昨年399件

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1.「上場子会社、社外取増員を」 金融庁・東証、統治指針改定へ議論

【注目ポイント(記事一部引用)】
金融庁と東京証券取引所が26日開いたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)改定に向けた有識者会議で、親会社と子会社が共に上場する企業のあり方を議論した。親会社と子会社の少数株主との間で利益相反が生じうるため複数の有識者が「子会社の取締役会に過半数の独立人材を置くべきだ」と指摘した。

【コメント】
昨日(1/26)に開催されたコーポレートガバナンスコードのフォローアップ会議では、親子上場企業間におけるガバナンスの在り方について議論がなされ、上場子会社のガバナンス基準として、取締役会全体のうち過半数以上を社外取締役が構成する案が複数の委員より提言されました。

次期CGコードの改訂においては、東証一部上場企業に対して、取締役会のうち1/3以上を社外取締役にするべきという方向で調整されているようです。上場子会社に対しては、少数株主の権利保護の観点からより一層厳格な基準であるべきという指摘もあり、今後の検討の行方が注目されます。

 

2.事業売却、11年ぶり多さ 昨年399件

【注目ポイント(記事一部引用)】
日本企業が事業の組み替えを急いでいる。M&A(合併・買収)助言のレコフによると、2020年に上場企業やその子会社などによる事業やグループ企業の売却が判明した件数は399件となり、リーマン・ショック後の09年以来11年ぶりの多さだった。新型コロナウイルスの感染拡大による環境悪化に加え、資本効率への意識の高まりが売却を活発にしている。

【コメント】
昨年7月に経産省が公表した「事業再編実務指針」では、先行き不透明な経営環境においては、事業の将来の成長性を見極め、機動的に経営資源をコア事業の強化や将来の成長性に富む事業への投資に振り分けていく必要があることを指摘しています。
コロナ禍において、結果的にこうした事業ポートフォリオの組み換えが加速していることは、企業の成長にとって望ましいと思います。

ところで、事業再編実務指針では、単なる事業ポートフォリオの組み換えに留まらず、組織変革の重要性も強調しています。事業の組み換えが行われる以上、それに相応しい組織形態や人材の要件も変わることは必然であり、事業変革には組織変革が自ずからセットとなるからです。

コーポレートガバナンス改革もこうした組織変革の文脈の1つとして取り組むべきことであり、事業再編実務指針においても、取締役会の構成の見直しや役員の選解任、経営者報酬の在り方などコーポレートガバナンス改革の具体的な取り組みテーマについて言及されています。

記事で取り上げられている事業ポートフォリオの組み換えを行った企業のうち、果たしてガバナンスを含む組織変革まで行えている企業はどの程度あるか、大いに気になるところです。