コーポレート・ガバナンスニュース(2020/9/22)

本日は、以下の記事について取り上げます。

  1. 菅政権始動、市場が探す「改革のセンターピン」

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1.菅政権始動、市場が探す「改革のセンターピン」

【注目ポイント(記事一部引用)】
行政の縦割りを排し、既得権益は打破。規制改革を断行――。菅義偉新首相の言葉には、株式市場が好みそうなメッセージがちりばめられている。しかし、投資家の反応は意外におとなしい。大きな理由は「改革のセンターピン」が見えないことだ。

【コメント】
「安倍政権の継承」を掲げる菅内閣の中心的な政策は、構造改革・規制改革型の政策となりそうです。デジタル庁の創設や携帯電話料金の値下げなどは、そうした面で、非常にわかりやすい目標として掲げられ、国民の支持も集めると思います。一方、アベノミクスの第3の矢の中心的な政策の1つであったコーポレートガバナンス改革は、菅政権における目玉政策になるかというと、そうならない可能性の方が高いと考えます。政策はその重要性・必要性ももちろん大事ですが、国民にとってのわかりやすさと国民からの支持の得やすさも重要です。端的にいえば、「変わったな」と国民が感じられない政策では、インパクトとしては弱いのです。コーポレートガバナンス改革でいえば、コーポレートガバナンスコードの策定や社外取締役の選任など、わかりやすい「形式面」での改革は既に安倍政権で実施済みです。また、既に「形式」から「実質」へという言葉がキーワードになっているように、今後のコーポレートガバナンス改革では、実質的にガバナンスを機能させるための地道な取り組みが中心になりますが、これは一見しただけでは、非常にわかりづらく、国民の広範な支持を集める目玉政策とはなりえないでしょう。もちろん、日本企業の成長のためには、引き続きコーポレートガバナンスは重要なテーマであり続けますが、世間の注目度が下がる可能性がある分、これまでの取り組みが後退することがないよう、どのように企業側により一層の取り組みを促すかが問われます。