コーポレート・ガバナンスニュース(2020/9/19)
本日は、以下の2つの記事について取り上げます。
- 「女性取締役ゼロ」にNO 海外投資機関が反対票も
- 経産省、東芝総会前に複数の海外株主と接触 議決権行使に干渉か
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1.「女性取締役ゼロ」にNO 海外投資機関が反対票も
【注目ポイント(記事一部引用)】
海外の機関投資家が、日本企業に女性役員を増やすよう促している。一部の投資家は女性取締役がいない企業について、株主総会で反対票を投じ始めた。
【コメント】
こちらの記事で取り上げましたが、既に日本企業の中でもTOPIX100企業では、半数以上の企業で女性役員を複数人以上採用しているとのことで、1名も女性役員が存在しないというのは「多様性の欠如」でしかないという風潮がいよいよ本格的広がってきています。もちろん、ある意味正しいのは事実なのですが、企業には単純に女性の役員を採用しなければ(せめて、1名は!)という義務感で取り組むのではなく、多種多様な経営課題に対して議論をする際に取締役会にどのような多様性が求められるか、という視点をもって取り組んでいただきたいと思います。
2.経産省、東芝総会前に複数の海外株主と接触 議決権行使に干渉か
【注目ポイント(記事一部引用)】
7月31日に開催された東芝の定時株主総会の前に、経済産業省が海外の複数の株主に接触していたことが分かった。事情に詳しい3人の関係者が17日、明らかにした。少なくとも株主の1人は、議決権の行使に影響を与える意図があったと受け止めている。東芝の株主総会では一部の議決権が反映されなかったことも判明しており、東芝のガバナンスに対する疑義が高まる可能性がある。
【コメント】
この報道が事実である場合、8月10日に取り上げたこちらの記事も踏まえて考えると、経産省はぎりぎりまでエフィッシモなどのアクティビストに対して、「無言の圧力」を掛けながら東芝の株主総会での決議に影響を与えていたことになるのではないでしょうか。既に株主総会から1か月以上が経っていますが、こうした報道が出る背景には、大株主であるアクティビストが株主総会の結果に納得していないことや東芝の現執行体制への強い不満を持っていることが想像されます。