コーポレート・ガバナンスニュース(2020/9/5)

本日は、以下の記事について取り上げます。

  1. 社外取締役 社長・CEO交代を主導 経営の監督重視へ 経産省が実務指針作成

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1.社外取締役 社長・CEO交代を主導 経営の監督重視へ 経産省が実務指針作成

【注目ポイント(記事一部引用)】
経済産業省は、上場企業の社外取締役に期待される役割やその役割を果たすための具体的な取組みを整理した「社外取締役のあり方に関する実務指針」(社外取締役ガイドライン)を作成した。経営の監督を最も重要な役割に位置付けるとともに、必要に応じて社長・CEOの交代を主導するとした。取締役会の監督機能を強化するため、社外取締役が取締役会における議題設定に関与したり、中長期的な経営戦略に関する議論を促したりするのが望ましいと指摘している。

【コメント】
社外取締役の在り方に関する実務指針について、同指針の公表後、コーポレートガバナンスの実務に携わる専門家や企業の経営者の方々と意見交換をしました。コーポレートガバナンス改革を「形式」から「実質」へ進めるうえで、社外取締役がその役割をどこまで果たせるかが極めて重要という共通の認識を持つ一方で、ここまで出来る(そうした気概がある)社外取締役を多くの企業が本当に選任できているのか、大いに疑問であるという声もありました。確かに「あるべき論」として社外取締役に求められる心構えや役割は、指針に書いてある通りなのですが、本当にこれを実行しようとすると、社外取締役を選びなおさないと無理という企業も少なくないかもしれません。また、同指針ではこれまで以上に主体的・積極的に社外取締役の働きを高めることを求めているため、従来の「月1回、2~3時間程度」取締役会に出席すれば良いというものからは、社外取締役のコミットメントが質・量ともに格段に異なります。こうなってくると、社外取締役に対して支払う報酬も平均600~800万円程度で本当にそうした重責に見合うのかという別の問題も出てきます。今後、多くの企業で社外取締役の役割を見直しが進むと予想しますが、その際に、社外取締役のサクセッションプランと社外取締役の報酬の問題は改めて注目されるはずです。

 

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