コーポレート・ガバナンスニュース(2020/8/17)

本日は、以下の記事について取り上げます。

  1. ESGの何が企業価値向上に寄与しているか、エーザイが独自分析

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1.ESGの何が企業価値向上に寄与しているか、エーザイが独自分析

【注目ポイント(記事一部引用)】
「女性管理職比率が1割改善すると7年後のPBRが2.4%上がる」「育児時短制度利用者を1割増やすと9年後のPBRが3.3%向上する」――。ESG投資が広がりを見せる中、エーザイではESGにつながる取り組みがどう企業価値の向上につながるかを明らかにした。

【コメント】
記事によると、今回のエーザイの調査では、少なくとも同社では、人件費や研究開発費の増加と将来のPBRの向上との関係を示すことができたとのことです。また統合報告書2020において、営業利益に研究開発費と人件費を加えた金額を「ESG EBIT」と名付けて開示していますが、これは、利益に人件費や研究開発費を足して企業の付加価値をみる指標とすることを積極的に株主・投資家にアピールしているようです。率直なところ、ここまで投資家に対してESGと自社の経営の取り組みの関係を明らかにし、開示することに積極的な企業は日本ではエーザイくらいではないでしょうか。今回の調査結果が他企業にもあてはまるかというとそうでない可能性もありますが、同じことを他社でもできるかというとなかなか難しいと思います。今回の調査を主導された柳CFOのように、実務家としても財務の研究者としても一流の方がCFOを務めているだけで、企業価値へのインパクトは計り知れないと思います。