敵対的TOBが成立した大戸屋。取締役会が刷新される中で唯一取締役に残るのは?

コロワイドが仕掛けていた大戸屋に対する敵対的TOBは、9月9日にコロワイドが大戸屋株の保有比率が46.77%に達したと発表し、TOBが成立しました。それに伴い、コロワイド側は大戸屋に対して全ての取締役を解任するための臨時株主総会の開催を求めていましたが、9月16日に以下のリリースを発表しています。

株式会社大戸屋ホールディングスに対する臨時株主総会の開催請求についての議案の一部修正に関するお知らせ

リリースによると、大戸屋の全ての取締役の解任を求める議案については、一部修正し、山本匡哉氏は解任対象から除くとしています。
最新の大戸屋の有価証券報告書によると、山本氏の経歴・管掌は以下の通りです。

出所:株式会社大戸屋ホールディングス 2019年度有価証券報告書


生年月日と入社年月から推察すると、恐らく新卒(または第二新卒)で入社された大戸屋プロパーの方と思われます。現在47歳とのことですがら、十分に若く、また事業会社の大戸屋の社長も務められていたとのことなので、大戸屋という会社と現場のことを知り尽くした方と推察します。

コロワイド側としては、今後経営方針はコロワイド主導で決めていきたいものの、大戸屋の実態を把握している方は最低でも1名は残留させた方が効率的であると考え、山本氏の残留を決めたのかもしれません。

山本氏の経歴をみると、2014年、当時41歳になる年に事業会社の大戸屋の取締役に就任されています。1958年創業(会社設立は1983年)と、それなりに歴史のある大戸屋のような企業で、40代前半で取締役に就任するというのは日本企業では珍しい出世です。それだけ優秀な方なのだと思われますが、コロワイド側が山本氏の人材としての能力を買って、解任対象から外したのかどうか、気になるところです。

今後、臨時株主総会を経て、新しい取締役体制・経営体制へと移行を予定している大戸屋ですが、大戸屋プロパーである山本氏が、引き続き経営陣としてどのような役割を担うか、注目しています。