コーポレート・ガバナンスニュース(2021/1/13)

本日は、以下の記事について取り上げます。

1.<東証>オリンパスが7%安 大株主のバリューアクトが保有株売りで思惑

2.京阪神ビルへのTOB不成立 ストラテジック

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1.<東証>オリンパスが7%安 大株主のバリューアクトが保有株売りで思惑

【注目ポイント(記事一部引用)】
オリンパスが大幅に反落している。前日比144円00銭(6.7%)安の2002円50銭まで下落する場面があった。物言う株主(アクティビスト)として知られる米バリューアクト・キャピタルが、保有するオリンパス株の一部を売却したことが12日、明らかになった。市場では「バリューアクトの投資スタイルからして、オリンパスへの投資から完全に撤退するとの見方が出やすい」(ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役)との声もあり、株主価値向上に向けた圧力が弱まるとの懸念から売りが出ている。

【コメント】
保有するオリンパス株式の一部を売り出したバリューアクト・キャピタルは2019年から同社へ社外取締役を派遣しています。オリンパス側も経営改革の一環として、アクティビストからの社外取締役受け入れをアピールしていた面がありますが、記事で報じられているように、このままバリューアクトが全保有株式の売却に動くようだとすると、何らかの経営方針に対する考えの違いなどがあったのかもしれません。

 

2.京阪神ビルへのTOB不成立 ストラテジック

【注目ポイント(記事一部引用)】
独立系運用会社で物言う株主(アクティビスト)のストラテジックキャピタル(東京・渋谷)は13日、不動産会社の京阪神ビルディングへの敵対的TOB(株式公開買い付け)が成立しなかったと発表した。12日まで期間を延ばしながら実施したが、応募株数が買い付け予定数の下限を下回った。

【コメント】
今年最初の敵対的TOBは不成立という結果となりました。ただし、ストラテジックキャピタルが主張する役員の大半が特定の金融機関出身であるというのは、確かに歪な印象を受けますし、何より取締役に求める要件をどのように考えているのか、明確で納得できる説明を聞きたいというストラテジックキャピタルの主張は理解できます。今春改訂予定のコーポレートガバナンスコードでは、取締役の要件を示す「スキルマトリックス」の開示が追加される見込みということもあり、取締役会および個々の取締役に期待される要件を明確にしていくことは、今後必須となるはずです。