コーポレート・ガバナンスニュース(2020/10/3)
本日は、以下の2つの記事について取り上げます。
- ESGに覚醒、「きれい事」から「我が事」へ
- 米フォード、ファーリー新CEOが就任 経営陣を刷新
※記事のタイトルをクリックすると、記事リンク先に移行します
1.ESGに覚醒、「きれい事」から「我が事」へ
【注目ポイント(記事一部引用)】
東京証券取引所で金融商品の売買が終日停止となった1日、個人投資家も様々な思いで事態を受けとめた。「NTTによるNTTドコモへのTOB(株式公開買い付け)に応募しようと思っていたので出ばなをくじかれた気分」。40歳代の男性会社員がこぼす半面、「短期売買はしないので、どうってことはない」(首都圏の医師)との声も聞かれた。
【コメント】
ESG投資が機関投資家だけでなく、個人投資家にも広がっている様相を記事では取り上げていますが、個人の立場で「せっかく投資するのであればESGに力を入れている企業にしよう」という傾向が草の根的に広がっていく可能性は今後高いと思われます。特に環境面についての個人投資家の意識は高くなるのではないでしょうか。昨今の毎年のように生じる甚大な被害を被る災害や真夏の猛暑などから、地球温暖化が私たちの生活に悪影響を与えていると感じている人は増えています。こうしたことを踏まえると、企業側はESGに即した経営を志向するだけでなく、自社の事業をESGの文脈で解釈し、事業の成長性をESGの側面から積極的に語っていくことが求められます。以前にも何度か紹介したエーザイの取り組みはその好事例ですが、企業成長側面にESGがどのように寄与しているかを示すことは個人投資家から支持を得るという面でも有効ではないでしょうか。
2.米フォード、ファーリー新CEOが就任 経営陣を刷新
【注目ポイント(記事一部引用)】
米フォード・モーターは1日、最高財務責任者(CFO)など経営幹部の交代を発表した。ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)が同日就任したのに合わせて経営陣を刷新し、不振が続く中国や北米事業の立て直しを図る。
【コメント】
CEOサクセッションとは、新しいCEOの選任に留まりません。CEOに加えて、その他のCXOを含め、広い意味での「経営チーム」をどのように構成するかということも重要なテーマです。今回のフォードの取り組みは、まさに「経営チームの組成」という観点で、新CEOのジム・ファーリーが何を重視しているかを示唆しています。ファーリーCEOはコスト削減と品質改善に力を注ぐと述べており、当面は足元の業績の改善が中心となりです。