コーポレート・ガバナンスニュース(2020/9/18)
本日は、以下の2つの記事について取り上げます。
- 「女性役員が複数」過半に TOPIX100銘柄企業、7月末時点
- 「何のための開示なのか」 ESGに頭抱える企業
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1.「女性役員が複数」過半に TOPIX100銘柄企業、7月末時点
【注目ポイント(記事一部引用)】
上場企業に占める女性役員の比率が上昇している。東証株価指数(TOPIX)100に採用されている企業の間で、女性役員を複数人採用した社数が初めて半分を超えた。企業統治(コーポレートガバナンス)改革を背景に経営層の多様化を図る動きが広がる。
【コメント】
これは良い傾向です。企業の女性登用の進捗が予定よりも遅れている現状を踏まえると、まずは社外取締役への女性役員の登用が今後も増えるはずです。複数人の女性役員を採用する企業が増えることで、何よりも女性取締役候補者の人材プールが拡充し、ひいては取締役会の多様性は益々高まっていくでしょう。
2.「何のための開示なのか」 ESGに頭抱える企業
【注目ポイント(記事一部引用)】
7月7日、味の素や花王、日本生命保険など企業、投資家、監査法人の19社からなる「ESG情報開示研究会」が活動を開始した。まずESGの情報開示の現状を分析し、2年をかけて企業と投資家の双方が使いやすい開示のあり方をまとめる。
【コメント】
記事にもある通り、ESG情報の開示を巡っては、評価会社が乱立したことで各社の求める情報開示に対応することが企業のESG関連部署の役割のようになってしまっている現状がありますが、本末転倒だと思います。以前、こちらの記事で取り上げたように、ESGの何が自社の企業価値の向上に寄与しているかを分析し、積極的に開示していく姿勢が本来は求められます。求められているのは絶対の正解ではなく、エーザイのようにESGをどのように自社の価値創造プロセスに織り込もうとするかという姿勢こそが、本来のESGに向き合う企業のスタンスとして必要ではないでしょうか。