コーポレート・ガバナンスニュース(2020/9/17)

本日は、以下の記事について取り上げます。

  1. 大戸屋HD総会 役員候補、コロワイド案のみ審議

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1.大戸屋HD総会 役員候補、コロワイド案のみ審議

【注目ポイント(記事一部引用)】
外食大手のコロワイドが47%出資する定食チェーンの大戸屋ホールディングスに開催を求めている臨時株主総会で、取締役候補についてコロワイドの提案だけを審議することになった。コロワイドは大戸屋HDによる会社提案として一本化する方向だったが、大戸屋HDは提案を出さない。コロワイドが16日、現在の取締役10人の解任などを求める案を発表した。

【コメント】
コロワイドによる大戸屋への臨時株主総会の開催要求については、大戸屋側は会社提案となる取締役案は出さず、結局コロワイドの取締役案について株主提案として審議される運びのようです。大戸屋からすると負けは認めたものの、せめてもの抵抗として、コロワイドの案を会社提案として提出しないというところでしょうか。ところで、コロワイドは今回の株主提案で大戸屋の取締役候補としてコロワイド会長のご子息にあたる蔵人賢樹氏を推しており、取締役選任後は大戸屋の社長に就任させたい意向のようです。しかし、昨日の記事でも指摘したように、大戸屋には本来支配株主からは高い独立性を備えた指名委員会にて次期社長の選任を検討する必要があります。現状では大戸屋には指名委員会の設置がなく、また次期社長について検討を行う十分な時間もない中で、コロワイドが推す取締役候補が次期社長に就任するというのは、果たして大戸屋の少数株主の権利も十分に保護されているといえるのでしょうか?このあたり、実態としても社長の選任プロセスとしても大いに疑問があるように思えます。