コーポレート・ガバナンスニュース(2021/2/3)

本日は、以下の記事について取り上げます。

1.債券投資家もESGアクティビストに-株主に続き「物言う」存在に

2.脱炭素「オリーブ」の視点を

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1.債券投資家もESGアクティビストに-株主に続き「物言う」存在に

【注目ポイント(記事一部引用)】
債券投資家が企業に環境・社会・ガバナンス(ESG)問題への取り組みを迫るため行動し始めた。
世界で40兆ドル(約4200兆円)規模のクレジット市場の参加者は、ロードショーや業界団体、投資引き揚げを通じて発行体に、環境、社会、ガバナンス問題への対応を迫る。アクティビスト投資家と言えば物言う株主が定番だったが、債券投資家も力を振るうことが可能だ。

【コメント】
アクティビスト=「物言う株主」という図式は日本では定着している感がありますが、この記事からわかることは、物言う株主だけでなく、債権投資家やESGの専門家なども含めてその存在が広範に広がってきているということです。
過去、企業の株式を大量に集め、経営権を取得する株主は、単独で活動することが多かったのですが、最近の特徴は1社で保有する株式は数~10%程度に留め、他の投資家も巻き込みながら企業に対して経営改善や株主還元を求めるというスタイルに変わっています。企業からすると、その対処の難易度は上がっていますが、十分に備えが出来ている企業は特に日本においてはまだまだ少数ではないかと思います。

 

2.脱炭素「オリーブ」の視点を

【注目ポイント(記事一部引用)】
1月最後の週は、2021年が「緑の年」であることを示した週だったのかもしれない。米資産運用大手ブラックロックは1月26日、すべての企業に対し、50年までに温暖化ガス排出の「ネット(実質)ゼロ」を達成する計画を打ち出すよう要求した。世界経済フォーラム(WEF)主催のオンライン会合「ダボス・アジェンダ」の参加者は同日、気候変動に官民が総力で取り組むべきだと高らかにうたう声明を出した。

【コメント】
先日、こちらの記事の解説で触れましたが、ブラックロックの動きがきっかけとなって、他の機関投資家も同様の動きを進める可能性は十分にあると思われます。
気候変動に関する企業の取り組みは、日本企業においては、まだその本気度が疑われるようなレベルの取り組み状況の企業が少なくなく、株主・投資家の関心度とは格段に温度差を感じます。しかし、海外企業の株主総会で、気候変動株主提案が相次いでいる現状から考えると、いつ日本でもこうしたことが当たり前となってもおかしくない状況にあり、その対策を急ぎ行う必要があります。