コーポレート・ガバナンスニュース(2021/1/22)

本日は、以下の記事について取り上げます。

1.日鉄、東京製綱にTOB  出資19.9%狙う 業績低迷で関与強化

2.メガバンク、脱炭素へファンド 海外でインフラ投資

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1.日鉄、東京製綱にTOB  出資19.9%狙う 業績低迷で関与強化

【注目ポイント(記事一部引用)】
日本製鉄は21日、ワイヤロープなどを手掛ける東京製綱にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買い付け価格は1株1500円。最大で約24億円を投じ、現在は9.9%の出資比率を19.9%まで高めたい構え。東京製綱の業績が低迷し、ガバナンス体制にも問題があるとして、経営への関与を強める必要があると判断した。

【コメント】
本件は、東京製綱側が日本製鉄のTOBについて承諾があったわけではないという事情もあり、敵対的TOBへと発展する可能性が高いといえます。日本製鉄の発表によると、TOBの理由には東京製綱の業績低迷の外に、東京製綱の田中会長が19年間にわたり代表取締役を務めていることを問題視するなどガバナンス強化の側面もあるようです。注目すべきは、田中会長は元々旧新日本製鉄出身者であり、TOBを行ったん本製鉄のOBですが、OBであろうと是々非々で判断するという日本製鉄の強い意思を感じます。

 

2.メガバンク、脱炭素へファンド 海外でインフラ投資

【注目ポイント(記事一部引用)】
メガバンクグループが海外のインフラに投資するファンドを相次いで設立している。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は再生可能エネルギーの発電設備などへの投資向けに設け、みずほFGと三菱UFJFGも新たに立ち上げる。各国は「脱炭素」のインフラ投資を急ぐほか、交通関連などの新設・更新需要も大きい。超低金利環境が長引くなかで安定した利回りを確保できる分野と期待を集めている。

【コメント】
世界各国が脱酸素社会の実現を目指す中で、ESGをビジネス機会と捉える動きも活発になっており、記事にあるインフラファンドの設立もその流れの1つといえます。特に記事にもあるように、新興国に対するインフラ需要は今後も増加が見込まれるでしょう。