コーポレート・ガバナンスニュース(2021/1/5)

本日は、以下の記事について取り上げます。

1.三菱ケミカルHDの変革、よそ者が突破口

2.激変するビジネス環境 現代の和魂洋才目指そう

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1.三菱ケミカルHDの変革、よそ者が突破口

【注目ポイント(記事一部引用)】
2021年、産業界では温暖化ガス排出の実質ゼロや環境を重視する投資マネーへの対応が大きなテーマとなる。変革に迫られるなか三菱ケミカルホールディングス(HD)では4月に初めて外国人社長が誕生し、工場現場も含めて成果主義を導入する。現状に安住する「ゆでガエル」からの脱却をけん引するのは、同社とは関係が薄かったよそ者だ。

【コメント】
三菱ケミカルホールディングスが新社長に外国人を登用するというニュースは、昨年の日本企業のCEOサクセッションプランの中でも特に大きなインパクトを与えました。
日産のカルロス・ゴーン氏をはじめ、従来からも外国人社長が就任した例は少なくありませんが、その多くが前任社長などの社内の経営層が招聘したケースです。
記事にもある通り、今回のギルソン氏を後継社長に選んだ過程では、社外取締役が中心メンバーとして構成される指名委員会が大きな役割を果たしています。社外の目からみて外国人のギルソン氏がベストであるという判断をしたことに、このサクセッションプランのユニークさがあります。
一般的に、社外取締役は社内取締役に比べて社内の事情や事業の状況について限定された情報の中で判断を下さなければなりません。そのため、比較的保守的な判断を行いがちではありますが、そうした中では、異例といえるほど「攻めの社長人事」を行ったという点は、率直に評価に値するのではないでしょうか。もちろん、この人事が吉とでるかは、現時点ではわかりませんが、今後多くの企業で求められている、社外取締役が中心となってCEOサクセッションプランを監督していく、一つの取り組み事例として本件から学ぶことは多いと思います。

 

2.激変するビジネス環境 現代の和魂洋才目指そう

【注目ポイント(記事一部引用)】
2021年の新年を迎えました。この年末年始は、普段忙しい方にとって長期的な展望を考える貴重な機会です。

新型コロナウイルスにより、20年は世界が大きく変化しました。感染力が増した突然変異種が欧州で見つかり、さらなる警戒が必要になっています。今年はワクチンの普及と効果を見守ることになるでしょう。

一方、テクノロジーの進化はデジタル化の需要を取り込み、さらに加速しています。今後、長期的に続きそうなトレンドを考えるうえで、20年の「新型コロナ」と「金融緩和」の2つのトレンドを正しく分析する必要があります。

【コメント】
記事にある「ESGをビジネスに一体化する」というのは、これからの企業経営を考える上で欠かせない視点といえます。コロナ禍によって、はからずもESG投資熱は一層高まり、もはやESGの観点を抜きに、上場企業がビジネスを行うことは困難になりつつあります。