コーポレート・ガバナンスニュース(2020/10/10)

本日は、以下の記事について取り上げます。

1. 物言う株主、ディズニーに動画配信へ転向要求

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1.物言う株主、ディズニーに動画配信へ転向要求

【注目ポイント(記事一部引用)】
アクティビスト(物言う株主)として知られる著名投資家のダニエル・ローブ氏は、米ウォルト・ディズニーに対し、動画配信サービスのコンテンツを大幅に拡充するため、現在は配当に回している30億ドル(約3200億円)の資金を振り向けるよう要求している。

【コメント】
アクティビストであるダニエル・ローブ率いるサードポイントが、ディズニーに対して、非常に面白い提案をしています。サードポイントは現在同社が配当に回している資金(約30億ドル)を動画配信サービスに投資するべきとし、これによって、数年間で動画配信最大手のネットフリックスの会員数を超えることはもちろんげ大幅なリターンが見込まれると主張しています。また、併せて新型コロナウィルスの影響により打撃を受けている劇場映画からの撤退についても要求しているとのことです。

今回のサードポイントの提案は、通常株主還元を要求することの多いアクティビストがあえて株主還元策を投資に回すように提案している点が非常にユニークです。また今回の動画配信サービスにより一層注力をするとともに、劇場映画からの撤退を求めていることは、新型コロナウィルスの感染が仮に収まったとしても従来通りのビジネスでは期待通りの成長が見込めないため、事業の構造転換を図るべきということでしょう。

ディズニー側は今回の提案に対してまだ具体的な反応を示していませんが、それなりに説得力のある提案であり、他の株主からも一定数の賛同を集める可能性が高いことから、完全に拒否することはないように思えます。今後の動きに注目したいと思います。