コーポレート・ガバナンスニュース(2020/9/24)

本日は、以下の記事について取り上げます。

  1. 三井住友信託、議決権集計1000社で誤り 総会議決に疑義も

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1.三井住友信託、議決権集計1000社で誤り 総会議決に疑義も

【注目ポイント(記事一部引用)】
東芝の株主総会を巡り、議決権行使の集計を受託した三井住友信託銀行が適切に事務処理せず、一部の株主の意見が反映されない事態が起きたことが分かった。取締役選任の賛否などを記した海外投資ファンドの書類が期限内に届いたにもかかわらず、集計から外れていた。会社法で保障する株主の権利を損ないかねず、説明責任も問われる。

【コメント】
先日こちらの記事で第一報を取り上げましたが、東芝の株主総会の議決権行使の集計洩れは、三井住友信託銀行側のミスによるものと判明しました。東芝と同様の集計洩れは1000社ともいわれていますが、過去20年間同様のミスが続いたいたとのことなので、延べ数としてはその10倍以上かもしれません。今のところ、今回の集計洩れが原因となって各社の株主総会決議の結果が変わることはないとのことですが、株主総会の決定の正当性を揺るがす大変な失態であることには間違いありません。今回は、恐らく東芝の大株主であるアクティビストファンドが、株主総会の議決権行使結果に関する詳細の開示を迫ったことで、事態が発覚したのだと思われますが、海外の機関投資家からすると、こうしたことが長年放置されていた日本企業および規制当局に対して、著しく信頼は低下することでしょう。監督官庁の金融庁がどのような処分を行うのか、再発防止とこうした事態を未然に防ぐチェック体制をどのように築くか、今後の対応に注目が集まります。