コーポレート・ガバナンスニュース(2020/6/3)
本日は、以下の2つの記事について取り上げます。
- 三陽商会前社長の再任反対が31% 株主総会報告書
- 会社の取締役案「不適切」 天馬の監査等委、総会で
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1.三陽商会前社長の再任反対が31% 株主総会報告書
【注目ポイント(記事一部引用)】
三陽商会が5月26日に開いた株主総会で、中山雅之前社長の取締役再任への反対比率が31%だった。2日開示の臨時報告書でわかった。中山氏に業績不振の責任を求める投資家などが反対票を投じたとみられる。約6%出資する米運用会社RMBキャピタルによる株主提案の賛成比率は1~3割程度にとどまった。
【コメント】
株主総会での議案について会社側の提案が賛成多数を占めたとしても、反対比率によっては、その後の経営に影響を与えることがあります。今回の中山前社長の取締役再任に対する反対比率が3割を超えたというのは、三陽商会としては見過ごせない重い事実と思います。ただでさえコロナの影響でアパレル業界全体に逆風が吹いている状況ですので、株主としてもそれほど長い期間、現在の経営状態を待つことはできないと思います。今回株主総会で承認された経営再建策を早期に実行していくことが同社には求められそうです。
2.会社の取締役案「不適切」 天馬の監査等委、総会で
【注目ポイント(記事一部引用)】
プラスチック製造を手掛ける天馬の監査等委員会は2日、会社側が6月の定時株主総会に提出する取締役選任議案に「不適切」との意見を出すと発表した。取締役会が決めた議案に対して監査等委員会が意見を出すのは上場企業で初とみられる。総会では現取締役会の刷新を求める株主提案も提出されており、委員会の意見は株主の賛否判断に影響しそうだ。
【コメント】
取締役会で決定した会社側の取締役選任議案に、監査等委員会が待ったをかけた格好ですが、どうやら上場企業では初のケースのようです。この監査等委員会のメンバーも取締役を兼務しているので、取締役会の中で意見対立があったことがうかがえます。今回の結果が、株主総会での投票行動に影響を与えることは必至でしょう。
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